中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2019年01月18日
遺伝子変異解析プログラム 「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」の使用目的追加に関する一部変更承認申請について
-「エヌトレクチニブ」のコンパニオン診断として-
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、発売準備中の遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」について、NTRK融合遺伝子陽性固形がんに対して承認申請中である「エヌトレクチニブ」のコンパニオン診断機能追加に関する一部変更承認申請を、本日厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、次世代シークエンサーを用いた網羅的がん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および融合遺伝子などの変異検出、ならびにマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden:TMB)などのゲノム・バイオマーカーを検出します。がん関連遺伝子の包括的なゲノムプロファイリングおよび抗悪性腫瘍剤のコンパニオン診断の2つの機能を併せ持った国内で初めてのがん遺伝子パネル検査として、2018年12月に厚生労働省より薬事承認を得ています。
今回の申請は、本プログラムによりNTRK融合遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3遺伝子と他の遺伝子の融合遺伝子)を検出することにより、エヌトレクチニブの適応判定の補助を可能にすることを目的として行いました。エヌトレクチニブは、先駆け審査指定制度対象品目、希少疾病用医薬品の指定を受けており、非常に稀な遺伝子変異であるNTRK融合遺伝子陽性の固形がんを予定適応症として、中外製薬が2018年12月に承認申請を実施しています。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、網羅的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療従事者に貢献できるよう取り組んでまいります。
【参考情報】
- 遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」の承認を取得(2018年12月27日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20181227163001_802.html - ROS1/TRK阻害剤「エヌトレクチニブ」のNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対する製造販売承認申請について(2018年12月19日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20181219170000_797.html
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルについて
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルは、次世代シークエンサーを用いた網羅的がん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および融合遺伝子などの変異検出、ならびにマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden:TMB)などのゲノム・バイオマーカーを検出します。また、上記に加え、本製品は、国内既承認の分子標的治療薬のコンパニオン診断として、適応判定補助を使用目的として実施することが可能です。
エヌトレクチニブについて
エヌトレクチニブは、ROS1融合遺伝子陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん、またはNTRK1/2/3融合遺伝子陽性の局所進行または転移性固形がんを対象とした臨床開発中の薬剤です。エヌトレクチニブは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤であり、脳転移巣への作用も期待されています。エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制します。エヌトレクチニブは、乳がん、胆管がん、結腸直腸がん、婦人科がん、神経内分泌腫瘍、非小細胞肺がん、唾液腺がん、膵がん、肉腫、および甲状腺がんを含む広範囲の固形がんを対象に臨床試験が行われています。
NTRK融合遺伝子陽性がんについて
NTRK融合遺伝子とは、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3、それぞれTRKA、TRKB、TRKCタンパク質をコードする)と他の遺伝子(ETV6、LMNA、TPM3など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。NTRK融合遺伝子から作られる融合TRKにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。NTRK融合遺伝子の発生は非常に稀ではありますが、成人や小児の様々な固形がんや肉腫等[虫垂がん、乳がん、胆管がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、乳児型線維肉腫、肺がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、悪性黒色腫、膵臓がん、甲状腺がん等]で確認されています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
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