2017年12月11日

IMpower150試験においてTECENTRIQ(atezolizumab)とAVASTIN
および化学療法の併用レジメンは進行肺癌の患者さんにおける病勢進行または死亡リスクを38%低下

進行非扁平上皮非小細胞肺癌一次治療に対して、癌免疫療法とAVASTINおよび化学療法の併用で、無増悪生存期間(PFS)の改善を示した初めての第III相臨床試験

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているF.ホフマン・ラ・ロシュ社が12月7日(バーゼル発)に発表したプレス・リリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/investors/updates/inv-update-2017-12-07.htmをご覧ください。

ロシュ社は7日、未治療の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者さんを対象とし、TECENTRIQ®とAVASTIN®および化学療法(carboplatinおよびpaclitaxel)の併用レジメンについて検討した主要な第III相臨床試験であるIMpower150試験の良好な成績を発表しました。本試験において、TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群は、AVASTINおよび化学療法併用レジメン群と比較し、病勢進行または死亡リスクを38%減少させました(無増悪生存期間[PFS]ハザード比:0.62、p<0.0001、95%信頼区間:0.52-0.74;中央値:8.3カ月対6.8カ月)。さらに、ランドマーク解析による12カ月時PFS率は、AVASTINおよび化学療法併用レジメン群では18%であったのに対し、TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群では2倍の37%でした。副次的評価項目である腫瘍縮小率(全奏功率:ORR)は、AVASTINおよび化学療法併用レジメン群の48%と比較し、TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群では64%と高いものでした。TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群における安全性プロファイルは、これまでに各薬剤で認められているものと一致しており、当該併用レジメンにおける新たな安全性の懸念は認められませんでした。

IMpower150試験において主要評価項目の1つであるPFSの解析は、ALKまたはEGFR遺伝子変異陽性患者さんを除くITT(Intent to treat)解析集団(ITT-WT)、ならびにT細胞活性調整因子の遺伝子発現“Teff”により層別化した集団(Teff-WT)の2つの集団を対象として評価されました。本試験において、試験実施計画に基づき上記の両集団におけるPFSの解析を行ったところ、両集団において統計学的に有意なPFSの改善が示されました。TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群は、AVASTINおよび化学療法の併用レジメン群と比較し、Teff-WT集団において、病勢進行または死亡リスクを49%減少させました(PFSハザード比:0.51、p<0.0001、95%信頼区間:0.38-0.68;中央値:11.3カ月対6.8カ月)。

ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「本試験は、癌免疫療法を併用した治療レジメンにより、様々な患者背景を有した進行非扁平上皮NSCLC一次治療の患者さんにおいて病勢進行リスクを低下させた初めての第III相臨床試験です」と述べるとともに、「IMpower150試験は肺癌治療における重要な進歩を示すものであり、新たな標準治療となる可能性を秘めている本治療を、1日でも早くがんと闘っている患者さんに届けられるよう、各国の規制当局に本試験成績を提出する予定です」と語っています。

最新のIMpower150試験成績は、12月7日午後6:15(現地時間)に欧州臨床腫瘍学会 腫瘍免疫学シンポジウム(ESMO Immuno Oncology)で発表され、同時に、学会公式プレスプログラムに認定されています(抄録番号:#LBA1_PR)。もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)の成績については、解析に必要な十分なイベント数に達していないものの、予備解析の結果がESMO Immuno Oncologyにて発表されます。本試験のOSについての次回の解析は、2018年の上期を予定しています。

安全性プロファイルについて
TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用における安全性プロファイルは、これまでに各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、当該併用レジメンにおける新たな安全性の懸念は認められませんでした。治療にともなう重篤な有害事象は、TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用レジメン群では25.4%であり、AVASTINおよび化学療法併用レジメン群では19.3%でした。

【Atezolizumab(TECENTRIQ)について】
国内では、非小細胞肺癌を対象とした第II相および第III相国際共同治験、ならびに非小細胞肺癌の術後補助化学療法、小細胞肺癌、尿路上皮癌、筋層浸潤尿路上皮癌の術後補助化学療法、乳癌、腎細胞癌および腎細胞癌の術後補助化学療法、卵巣癌、去勢抵抗性前立腺癌を対象とした第III相国際共同治験に参加しています。あわせて、肝癌および固形癌を対象とした第I相臨床試験を実施しています。また、2017年2月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対し、製造販売承認申請を行っています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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