2016年08月26日

Emicizumab、希少疾病用医薬品に指定

-インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制-

中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治](以下、中外製薬)は、血友病Aを予定適応症に皮下注製剤として開発中のヒト化バイスペシフィック抗体emicizumab(ACE910/RO5534262)が、「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けましたことをお知らせいたします。

血友病Aは、血液凝固第VIII因子の先天的欠損または機能異常により、血液凝固反応が正常に進まず、関節内や筋肉内などのさまざまな部位に、小児時から反復して重篤な出血症状を来たす遺伝性の疾患です。特に関節内出血の反復は、血友病性関節症を引き起こし、日常生活動作の障がいなどQOLの低下を招く要因となります。 国内の患者数はおよそ5,000人と報告されており*、近年、多くの重症患者さんにおいて、定期的に第VIII因子製剤を補充し、出血の頻度を減らす治療が実施されています。また、一部の患者さんでは補充された血液凝固第VIII因子に対する中和抗体(インヒビター)が生じるため、血液凝固第VIII因子に依存せず、血液凝固反応を促進するバイパス製剤を使用した治療が行われています。

中外製薬 上席執行役員 プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット長の伊東 康は、「これまでに得られているemicizumabの国内第I/II相臨床試験結果から、本剤が効果やQOLの面で現在の血友病A治療に革新をもたらすことを強く期待しています。とりわけ、インヒビターを保有する患者さんには高いアンメットメディカルニーズが存在します。私たちは本剤をいち早くお届けし、より良い治療の実現に貢献できるよう尽力してまいります」と語っています。

なお、現在実施中であるインヒビター保有の青年/成人患者さんを対象とする第III相国際共同治験は、主要評価群の症例集積を完了し、経過観察中です。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について
医薬品医療機器等法に基づき厚生労働大臣から希少疾病用医薬品として指定を受け、優先的に審査される医薬品です。指定には、当該医薬品の用途に係る対象者数が本邦において5万人未満であること、代替する適切な医薬品または治療法がないこと、既存の医薬品と比較して著しく高い有効性または安全性が期待される等の医療上特に優れた使用価値を有すること、対象疾病に対して当該医薬品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に係る計画が妥当であると認められることが必要とされています。

*「厚生労働省委託事業 血液凝固異常症全国調査 平成27年度報告書」より

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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