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2024年07月25日

  • 経営・財務

2024年12月期第2四半期(中間期)連結決算

  • Core売上収益5,529億円(前年同期比△4.6%)、Core営業利益2,628億円(同+13.3%)、Core当期利益1,895億円(同+10.6%)
  • 昨年の新型コロナ治療薬ロナプリーブ政府納入完了に伴う一時的な減影響を除くと増収増益の決算。好調なロシュ向け輸出など、基盤ビジネスは堅調
  • 自社創製品の研究開発活動は、早期・後期開発ともに順調に進展
  • ピアスカイが世界に先駆けて日本で発売
  • アレセンサはALK陽性非小細胞肺がんに対する術後補助療法として欧州、中国で承認取得
  • 早期開発品GYM329、DONQ52の新規臨床試験開始

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2024年12月期第2四半期(中間期)連結決算を発表しました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「2024年中間期は前年同期比で減収増益の決算でした。売上収益は昨年政府納入を完了した新型コロナウイルス治療薬ロナプリーブ®の一時的な影響が依然として大きいものの、基盤ビジネスの堅調な推移により増益となりました。国内では新製品のフェスゴ®やバビースモ®、主力品のアクテムラ®等が伸長した一方、ロナプリーブの影響や、薬価改定、後発品浸透の影響により、30.7%の減収でした。海外ではアクテムラの輸出の減少をヘムライブラ®の輸出が大幅に上回り、28.2%の増収でした。研究開発では、自社創製のピアスカイ®を他国に先駆けて日本で発売、米国で承認取得し、欧州でも承認勧告を受けました。加えて、アレセンサ®はALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として米国に続き欧州、中国で適応拡大の承認を取得し、患者さんの治療への貢献が始まっています。その他、GYM329は肥満症を対象に、DONQ52はセリアック病を対象に、それぞれ新たな臨床試験が開始され、早期開発も進展しました。ロシュとの連携においても、新たな臨床試験の開始など、患者さんへの価値提供に向けた研究開発が進捗しています。また、成長戦略『TOP I 2030』は、開始後3年が経過し、当初想定した取り組みは概ね順調に進捗しています。一方、全体の進捗や環境変化等に鑑み、さらなる努力が必要な点も認識できています。2030年に掲げる『R&Dアウトプット倍増』『自社グローバル品毎年上市』という高い目標に向け、目標達成への道筋を再確認し、改革内容の精緻化を行いました。改革を成し遂げ、目標達成を確実なものとし、引き続きトップイノベーター像の実現を目指します」と語っています。


<2024年12月期第2四半期(中間期)業績概要およびTOP I 2030の進捗>
 2024年12月期第2四半期(中間期)の業績(Coreベース)は、前年同期比で減収増益でした。

 売上収益のうち、国内製商品売上高は30.7%の減収でした。オンコロジー領域は、アバスチン®等の成熟品が薬価改定や後発品の影響を受けた一方で新製品のフェスゴが伸長し、全体としては6.1%の減収でした。スペシャリティ領域は、新製品バビースモや主力品のアクテムラ、エブリスディ®、エンスプリング®等が好調に推移した一方で、昨年812億円計上したロナプリーブの政府納入がなくなった影響が依然として大きく、47.4%の減収でした。海外製商品売上高はヘムライブラ輸出が前年同期比54.6%増となったこと等が寄与し、前年同期を大きく上回る28.2%の増収でした。その他の売上収益は、ヘムライブラに関する収入の増加に加え、一時金収入の増加により、18.9%の増収でした。

 製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で13.3ポイント改善し、33.0%でした。研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展等により増加し、販売費及び一般管理費は為替影響及び法人事業税(外形標準課税)の増加等により3.6%の増加となりました。その他の営業収益(費用)は8億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益2,628億円(+13.3%)でした。

 また、2021年に開始した成長戦略TOP I 2030 について、内容の精緻化を行いました。当初想定した取り組みは概ね順調ですが、10年の長期戦略であり、高い目標をより確実に達成するため、3年間の進捗や環境変化等を確認し、2030年のゴールに向けた道筋を再確認しています。具体的には、「5つの改革」(創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤)、および中間目標の「中期マイルストン」をアップデートしました。TOP I 2030で掲げる「R&Dアウトプット倍増」「自社グローバル品毎年上市」という高い目標の達成に向けて、社員一人ひとりが変革課題を自分事化・着実に実行し、患者さんへの貢献を果たしてまいります。


<研究開発の状況> 
 研究開発活動は、開発早期、後期とも順調に進展し、特に自社創製の開発品および主力品の価値最大化において順調な進捗がみられました。

 自社創製品では、抗補体C5リサイクリング抗体ピアスカイが、希少な疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として世界に先駆けて日本で発売となり、当社独自のリサイクリング抗体®技術を適用した抗体医薬品としては2つ目の国内上市となりました。ピアスカイは米国で承認を取得した他、欧州では欧州医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を受け、台湾を含む各国において承認に向けた審査が行われています。また、抗IL-31受容体A抗体ミチーガ®(一般名:ネモリズマブ)は、国内導出先のマルホ社が小児のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒と、成人および小児の結節性痒疹を新たな適応症として新たな剤形を発売しました。さらに、アレセンサは、ALK陽性非小細胞肺がんにおける術後補助療法として米国に続き欧州、中国において承認を取得し、適応を拡大しました。加えて、Verastem Oncologyが開発を進めるRAF/MEK clamp(遮断)avutometinibは、KRAS変異陽性の再発低悪性度漿液性卵巣がんに対するFAK阻害剤defactinibとの併用療法で、米国食品医薬品局(FDA)にローリング・サブミッションを開始しました。早期開発では、潜在型ミオスタチンスイーピング抗体GYM329の肥満症を対象とした第I相臨床試験が開始されました。マルチスペシフィック抗体DONQ52については、セリアック病を対象に小麦摂取で誘導される免疫反応に対する抑制効果を評価する第Ic相臨床試験を開始しました。

 ロシュからの導入品では、RG6299がIgA腎症を対象に新たに第III相臨床試験を開始し、zilebesiranが高血圧を対象に新たに第I/II相臨床試験を開始しました。

【2024年12月期第2四半期(中間期)実績】

(億円)2024年
1-6月
2023年
1-6月
前年同期比
連結損益(Core実績)
 売上収益 5,529 5,797 △4.6%
  製商品売上高 4,855 5,230 △7.2%
  その他の売上収益 673 566 +18.9%
 営業利益 2,628 2,320 +13.3%
 中間利益 1,895 1,714 +10.6%
連結損益(IFRS実績)
 売上収益 5,529 5,797 △4.6%
 営業利益 2,582 2,109 +22.4%
 中間利益 1,863 1,567 +18.9%

<製商品売上高の内訳>

(億円)2024年
1-6月
2023年
1-6月
前年同期比
製商品売上高4,8555,230△7.2%
 国内 2,172 3,136 △30.7%
  オンコロジー領域 1,188 1,265 △6.1%
  スペシャリティ領域 984 1,871 △47.4%
 海外 2,684 2,094 +28.2%

オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2024年
1-6月
2023年
1-6月
前年同期比
 テセントリク 311 316 △1.6%
 アバスチン 174 262 △33.6%
 ポライビー 157 159 △1.3%
 アレセンサ 149 145 +2.8%
 パージェタ 113 161 △29.8%

スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目、およびロナプリーブ

(億円)2024年
1-6月
2023年
1-6月
前年同期比
 ヘムライブラ 274 267 +2.6%
 アクテムラ 224 211 +6.2%
 エンスプリング 116 109 +6.4%
 バビースモ 91 67 +35.8%
 エブリスディ 75 66 +13.6%
 ロナプリーブ* - 812 △100.0%

*ロナプリーブは薬価未収載です

【研究開発活動の進展】(2024年4月25日~2024年7月25日)

2024 Q2 R&D Progress

Core実績について

 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

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