中外製薬

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各位

2014年06月04日

ロシュ社のAvastinとTarcevaの併用によりEGFR遺伝子変異陽性の
肺がん患者さんの無増悪生存期間を延長

【参考資料】

当参考資料は、F. ホフマン・ラ・ロシュが2014年6月2日(スイス現地時間)に発表した英文リリースを、戦略的アライアンスを締結している中外製薬が翻訳版として、報道関係者の皆様に提供させていただくものです。
従いまして、日本国内と状況が異なる場合があること、また、正式言語が英語であるため、表現や内容につきましては英文リリースが優先されますことをご留意下さい。
英文リリースは、下記URLよりご参照下さい。
 
Avastinについて
・日本での効能・効果は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」、「扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、「手術不能又は再発乳癌」、「悪性神経膠腫」、「卵巣癌」、販売名は「アバスチン®点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」です。
・国内では、乳がん術後補助療法を対象とした第Ⅲ相国際共同治験に参加しています。
 
Tarcevaについて
・日本での効能・効果は「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」、「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌」、「治癒切除不能な膵癌」、販売名は「タルセバ®錠25mg、同100mg、同150mg」です。
・「タルセバ®錠150mg」は、「治癒切除不能な膵癌」での使用は承認されておりません。
 

2014年6月2日 バーゼル発

EGFR遺伝子変異陽性の日本人の肺がん患者さんを対象とした第Ⅱ相臨床試験により、AvastinとTarcevaの併用療法はTarcevaの単独療法に比べ主要評価項目である無増悪生存期間を延長
 
ロシュ社は本日、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する一次治療として、Avastin(bevacizumab)とTarceva(erlotinib)の併用療法を検討した第Ⅱ相臨床試験(JO25567試験)の成績を発表しました。本臨床試験で併用療法を受けた患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ、無増悪生存期間(PFS)が統計学的に有意に延長しました。本結果は、AvastinとTarceva(血管新生阻害とEGFR遺伝子変異に対する治療)の併用療法は、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにおいてTarcevaの単独療法を上回る臨床的有用性をもたらすことを示唆しています。

現在のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんに対する一次治療での標準療法は、EGFR遺伝子変異に直接作用するTarcevaのようなチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による単独療法です。このEGFR遺伝子変異陽性の肺がんは、アジア人における非小細胞肺がんの30%を占めています1)。JO25567試験において、一次治療でAvastinとTarcevaの併用療法を受けた日本人患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ、PFS中央値が6.3カ月延長し、病勢進行または死亡リスクを46%減少させました(16.0カ月対9.7カ月、ハザード比0.54、p=0.0015)。AvastinまたはTarcevaの安全性に関する新たな有害事象の発現は認められませんでした。
 
JO25567試験の成績は本日、第50回米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO)の口述セッションで、神奈川県立循環器呼吸器病センター(横浜市)の加藤晃史医師により発表されます[抄録番号8005、6月2日午後16:12(CDT)、E Hall D2]。
 
JO25567試験について
中外製薬が実施したJO25567試験は、EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの日本人患者さん154名を対象とし、一次治療におけるAvastinとTarcevaの併用療法とTarcevaの単独療法について安全性と有効性を検討した無作為化第Ⅱ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、独立評価委員会が判定する無増悪生存期間です。副次的評価項目には全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間、QOLおよび安全性が含まれています。
・AvastinとTarcevaの併用療法を受けた日本人患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ、PFS中央値が6.3カ月延長し、病勢進行または死亡リスクを46%減少させました(16.0カ月対9.7カ月、ハザード比0.54、p=0.0015)。
・AvastinまたはTarcevaの安全性に関する新たな有害事象の発現は認められませんでした。
 
肺がんについて
肺がんは、世界中でがんによる死亡の最大の原因となっています。肺がんにより、乳がん、結腸直腸がんおよび前立腺がんの合計よりも多くの患者さんが亡くなっています2)。世界で毎年159万人が肺がんで亡くなっており2)、これは1日4,000人以上の死亡、または毎分3人の死亡に匹敵します。NSCLCは、すべての肺がんの中で85%を占めています3)
 
EGFR遺伝子変異陽性NSCLCについて
EGFRは、細胞表面上に存在するタンパク質です。上皮増殖因子(EGF)は、細胞の外側にあるEGFRの一部に結合します。因子の結合によってEGFRが活性化され、それが細胞内の複雑なシグナル伝達経路の引き金となり、細胞増殖や分裂の加速および転移などを引き起こします。一部のNSCLCでは、EGFR遺伝子の活性化変異があり、その変異はEGFRの活性が高まるようにEGFRの構造を変化させます。
 
Avastinについて(作用機序)
腫瘍が一定の大きさ(2mm)以上に成長したり、身体の他の部分に拡散(転移)するためには、その腫瘍に対する個別の血液供給が必要です。腫瘍は、自らの増大に重要な役割を果たしている血管内皮増殖因子(VEGF)を放出することにより、血管新生と呼ばれる血液の供給経路を生成しています。Avastinは、継続的な腫瘍コントロールを目的として、VEGFを特異的に標的とし阻害するための抗体医薬品です。Avastinは、VEGFを特異的に阻害するという作用を有することから副作用への影響は限定的であり、広範な化学療法および他のがん治療との効果的な併用が可能となります。
Tarcevaについて
Tarcevaは、進行または転移性NSCLCの治療に用いる1日1回経口投与の非化学療法剤で、がんの増殖と成長に関わるタンパクであるEGFRを強力に阻害します。Tarcevaは、アステラス製薬グループであるOSI Pharmaceuticals, LLCの登録商標です。Tarcevaは、米国ではアステラスファーマU.S.とジェネンテック社、日本では中外製薬、ならびにその他の国々ではロシュ社が開発と販売を行っています。
 
ロシュ社について
ロシュ社は、スイスのバーゼルに本社を置く医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。ロシュ社は、がん、感染症、免疫疾患、眼科ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらにロシュ社は、体外診断薬とがんの組織学的診断における世界的リーダーであり、また、糖尿病管理の先駆者です。ロシュ社では、パーソナライズド・ヘルスケア(PHC)戦略を駆使し、患者さんの健康、QOL、延命を明確に改善する薬剤や診断薬の提供を目指しています。1896年の創立以来、1世紀以上にわたって世界の医療に多大な貢献を果たしてきており、世界保健機関(WHO)が策定した必須医薬品リストには、人の生命を救うための抗生物質、抗マラリア薬および化学療法剤など、ロシュ社が創製した24の薬剤が記載されています。
 
2013年、ロシュ社は世界各国に約85,000人の社員を擁し、研究開発費に87億スイスフランの投資をしています。ロシュ・グループの2013年の売上げは468億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュ・グループのメンバーとなっています。また、ロシュ社は中外製薬(日本)の株式の過半数を保有する株主です。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧下さい。
 
本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。
 
参考文献
1. Mitsudomi T et al. biological and clinical implications of EGFR mutations in lung cancer. Int J Clin Oncol 2006;11:190-8
2. GLOBOCAN 2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012 http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx Last accessed May 2014
3. Barzi A and Pennell NA. Targeting angiogenesis in non-small cell lung cancer: agents in practice and clinical development. EJCMO (2010). 2(1):31-42
 

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