特集1:革新的な医薬品をいち早くお届けするために〜患者さんへのわたしたちの想い〜

トップ製薬企業を目指す中外製薬グループの創薬研究から開発、製薬研究、情報提供に携わる一人ひとりがそれぞれの役割において、日々どのような想いで業務に取り組んでいるのかをご紹介します。

研究者の想い

患者さんに早く薬を届けられるよう、外部リソースを活用することで研究期間の短縮と成功確率を高める努力をしています。

富士御殿場研究所 研究本部 創薬研究第一部
ラミチャネ アヤム

入社以来4年間、御殿場研究所で自己免疫疾患領域の創薬研究に携わっています。創薬研究とは、患者さんに薬の有効性や安全性を確認する臨床試験の前までを指しますが、全体のプロセスを100とすると、薬の種の探索が10、その最適化が40。そして、薬物動態、安全性および薬効を評価するために生体細胞や動物モデルを使った実験の段階が、残りの50といった割合になります。わたしは、この全プロセスにおける薬効評価を担当しています。動物モデルでは良好な結果でも、その後の臨床試験で予想外の反応が見られるケースもあるので、患者さんへの薬効や体内動態を高めるために、薬となる化合物をどうデザインするかを考えるのも、研究者の大切な仕事です。
中外製薬の創薬研究の特長は、「世界の人々のために革新的な医薬品を継続して提供する」というミッションを具現化していることではないでしょうか。一般的な創薬のアプローチは、薬の種になりそうなアイデアから製品化につなげていきますが、中外製薬では、疾患に苦しむ患者さんの声と、その疾患に関与しそうな確立されたアイデアに、自分たちの技術を結びつけてどう創薬につなげていけるかといった、患者さん起点のアプローチを常に心がけています。
そのため、中外製薬では、患者さんや疾患について熟知している医師の先生方や、最先端技術を研究している学者の方々と活発にコラボレーションしています。外部の方々の知恵をお借りすることで、研究期間が短縮され、成功確率も上がり、患者さんのもとにより早く薬をお届けできているのではないかと思います。

新薬開発のプロセス

Episode

ネパール出身のわたしが中外製薬に入社したのは、患者さんを助けたいという想いがあったからです。医療制度や衛生環境が日本ほど整っていないネパールでは病気にかかる人々が多く、自分に何ができるかを常に考えていました。医師として働く選択肢もありましたが、自国も含め、病気に苦しむ世界中の人たちに貢献するには、研究者となり薬をつくることだと思い、非常に恵まれた環境である中外製薬を選んだのです。
今回、わたしがかかわってきた研究プロジェクトが順調に進展し、臨床試験を始めることになりました。これは多くの患者さんが苦しんでいる疾患をターゲットとして開発しているもので、この薬を患者さんに届けられるようになれば、わたしの人生で一番の喜びになると、期待を込めて進捗を見守っています。

開発者の想い

少しでも早く患者さんに薬を使っていただきたい一心で、承認に必要なプロセスを進めています。

臨床開発部 プライマリー開発2
赤田 慶輔

2005年の入社以来わたしが担当してきたのは、B型およびC型の慢性肝炎、C型代償性肝硬変(慢性肝炎が進行した病気)などの、肝臓領域の臨床試験(治験)です。ちょうどわたしが入社した時期に、このC型代償性肝硬変の治験薬開発が始まったこともあり、膨大な治験データをまとめて2010年10月に審査機関に申請するまで、約5年間にわたって臨床開発の全プロセスに携わってきました。
治験の計画段階では、薬の有効性・安全性を科学的に証明し、患者さんに最も早く薬をお届けするため、外部の先生方と相談しながら、治験を実施する医療機関の選定や治験に参加いただく患者さんの基準といった開発デザインを描き、それを治験実施計画書に落とし込みます。いかに治験期間を短縮し、患者さんに早く薬をお届けできるか。これは開発デザインに大きく左右され、わたしたち担当者の創意工夫が生きてくるところですので、開発デザインを描く際には特に力が入ります。
C型代償性肝硬変の治験薬は現在審査中ですが、承認までには、審査機関からの照会事項や書類の調査、治験を実施した医療機関における調査に一つひとつ丁寧に対応していく必要があり、1年から2年の審査期間を経て、ようやく薬の安全性・有効性を認めていただけるのです。こうして開発にかかわった薬を患者さんのもとに届けることができる。これはわたしにとって、何物にも代えがたい喜びです。

Episode

わたしがC型代償性肝硬変の治験で担当していた医療機関では、薬を使っていただいた患者さんに効果が認められ、先生方から感謝のお言葉をいただくという、非常に嬉しい結果となりました。
また、現在開発中のB型肝炎の治験薬は、肝炎患者団体をはじめとする多くの患者関係者からの声を受け、国内の肝炎研究の専門家がまとめた「肝炎研究7カ年戦略」においても、早期承認が要望されている薬です。患者さんや医療関係者の方々からの大きな期待を痛感し、改めて身が引き締まるような思いでいます。
わたしたちがすべきことは、まだ世に出ていない新しい作用を持った画期的な医薬品や、その領域でベストと言える薬を少しでも早く国内の患者さんに、ひいては全世界の患者さんにお届けし、世界中の人々の健康に貢献すること。この想いを胸に、わたしたち開発者は日々開発に打ち込んでいます。

製薬研究者の想い

実際に薬をお使いいただく方々のニーズを的確に把握し、よりよい医薬品の包装設計に努めています。

製薬本部 生産工学研究部 製剤技術担当
友尻 吉弘

この10年間、わたしは「アクテムラ®」などの包装設計や宇都宮工場の包装ラインの立ち上げを経験してきました。現在は、主に藤枝工場の固形剤の包装設計を担当しています。
医薬品包装で重要なことは、「患者さんに届くまで薬の品質を保持し、適正に使用していただくこと」です。そのためには、中身の薬を保護するだけではなく、間違えることなく、簡単に使えること。さらには、環境に優しく、安定して効率よく生産できることなども考慮してトータルな視点で設計していかなくてはなりません。薬が工場から出荷され、実際に使われるまでの取扱いをいかに具体的に想定できるかが問われます。流通段階で壊れないように緩衝性に十分配慮するほか、錠剤は患者さん自身、注射剤は看護師さんなどに使われるケースが多いことから、剤形や適応症ごとに使用する人・シーンを想定し、使いやすさや安全性を追究しています。
たとえば、「アクテムラ®」は冷蔵庫に保管されるためコンパクトな設計にしていますが、冷蔵庫から取り出す際に誤って落としても割れにくいように薬剤容器を少し浮かせるなど包装箱の仕切りに工夫をしています。また、錠剤やカプセル剤の包装シートに使われるPTP包装では、取り扱いやすい包装や患者さんが誤飲しないような包装にするために、人間の行動特性について研究を進めています。
わたしたちは技術集団ですので、薬を使われる患者さんのことを常に想いながら、高い品質の医薬品を安心して適正に使用していただくこと、また安定的に供給し続けることが重要だと考え、日々技術力を磨いています。

Episode

新製品の開発プロジェクトでは、わたしも包装設計の担当者として病院にうかがい、いろいろとご意見をいただく機会があります。実際に薬を使われる方々の声をうかがってわかったのは、細部にわたってご要望をお持ちになっていることと、環境の変化によって求められるニーズも変わってくるものだということでした。今回のプロジェクトではそれを実感しながら学ぶことができ、大変勉強になっています。
刻々と変わる医療現場のニーズに迅速にお応えするべく、現在、組織全体でニーズ情報の収集と分析に取り組み、開発方針に反映させる仕組みを強化する計画が進んでいます。わたしたち設計者は、新しい技術や価値をパッケージという形で市場に提供し、患者さんに使っていただく。そこから潜在ニーズを引き出し、新しい製品に反映させていく。この責任を果たすことが、よりよい医薬品包装の実現につながっていくのだと信じています。

MRの想い

患者さんを第一に考えた提案に努めています。

横浜支店 プライマリーユニット 横浜営業部 横浜新薬一室
齋藤 みつか

入社して5年間、MRとして開業医(診療所)や病院を担当し、医療現場で先生方と接してきました。2010年10月からは大学病院専門の担当になり、関節リウマチなどの治療薬「アクテムラ®」やC型慢性肝炎治療薬「ペガシス®」を中心に情報提供・処方化活動に励んでいます。
MRの仕事は患者さんの命に直結しますので、患者さんにとってどういう治療がベストなのか、その治療のためにはどういう薬がいいのかという選択の連続になります。もちろん自社の薬を使ってほしいという気持ちはありますが、まずは患者さんの状態をうかがい、「こういうリスクが考えられるので、この薬はどうでしょうか」「この薬を併用するとよいかもしれません」というように、検査値などを踏まえたうえで、患者さんを第一に考えた提案に努めています。
中外製薬の強みは、特殊な疾患に対する画期的な治療薬を持っているところだと思います。関節リウマチなどの治療薬「アクテムラ®」もその一例です。患者さんにとって有用な薬であるだけに、裏を返せば、安全性などの情報をきちんと発信していくことが重要です。大学病院は一般の病院に対し情報発信する機能もあるため、関連病院や提携病院に対しても正しく情報を共有し、ひいては医療全体の質の向上に貢献できるように努力しています。
今後は、医療現場ではどんなことに困っていて、どんなニーズがあるのかを把握し、自分なりに会社に働きかけることで、ニーズに合った施策が打てるようなサイクルをつくっていくことが必要だと考えています。医療現場でMR=医療のパートナーとして認めていただけるよう、先生方との信頼関係を築き、患者さんによい薬を届けていきたいと思っています。

Episode

わたしが新人のころ、中外製薬で乳がんの薬を発売することになり、ある先生にその抗がん剤をご紹介しました。先生は「海外の臨床試験で成績がいいのはわかったが、日本人での安全性はどうなんだろう」という不安を口にされましたが、患者さんの意志もあり、新薬の採用が決定。投与開始後は、患者さんの通院日ごとに先生をおたずねし、「副作用はどうだったか」「検査値がどうだったか」を教えていただいて、先生が不安に思われている点はすぐに調べてお伝えするということを続けました。3カ月ほどが経過したころ、先生から「患者さんがね、今回の薬は脱毛ややつれも出なくて、すごく楽だと言って喜んでるよ」とうかがったときは、もう本当に嬉しくて。記念に撮影したという患者さんと先生のお写真まで見せてくださり、その写真のなかの患者さんの笑顔は、今でも心に焼き付いています。

MRの想い

医療現場の最前線で、常に患者さんと先生のためになる提案を心がけています。

東京第一支店 オンコロジーユニット 東京千葉営業部 東京がん専門三室
小野 和輝

わたしは新卒でほかの製薬企業に入社しましたが、がん領域で特に勢いがあり、充実したラインアップを持つ中外製薬で活躍したいと思い、6年前に転職しました。以来MRとして、ずっとがん専門病院を受け持ってきました。現在は乳がんと肺がんを主に担当しています。わたしが中外製薬に入社したのは2005年ですが、この間に「アバスチン®」「フェマーラ®」「タルセバ®」という3つの抗がん剤が新たに発売され、既存薬の適応拡大なども含めると、毎年新しい薬を提供することができています。
中外製薬には、5大がん種のうち4種を網羅する豊富な薬を揃え、しかもほとんどが第一選択薬として治療ガイドラインに掲載されているという強みがあります。ですから、わたしたちの提案が先生方の求めているものとマッチしやすく、「がんのことは中外製薬に聞けば何とかなるのではないか」と思っていただけるくらいの信頼を得ていると自負しています。
一方、これだけ多くの薬があり、しかも医療現場からのニーズも高いなかで、先生方お一人おひとりに丁寧な情報提供活動を行うにはどうすべきかといった、ぜいたくな悩みもあります。
現在、中外製薬は、患者さんのための革新を続け、日本のトップ製薬企業になるという目標に向かって邁進しています。MRは医療現場の最前線で活動しており、患者さんを熟知している先生方の生の声をキャッチし、薬への橋渡しをする大事な役割を担っていることを、わたしは誇りに思っています。売上計画の達成はもちろんですが、幅広い学術知識の取得、コンプライアンスの徹底など、MRとしての資質を高め、すべてにおいてトップになるという志を持って活動しています。

Episode

ある患者さんの治療について悩まれていた先生から相談を受けました。その患者さんはご高齢の方で、余生を楽しみたいという理由で、強い薬による治療は望まれていませんでした。わたしは、上司や先輩MRに相談したり、今回と似ているケースを調べたりしていろいろと悩んだ末、中外製薬の製品ではなく、他社の製品を先生に提案することにしました。うちの薬が合わないかもしれない患者さんだとわかっていて薦めることは、真に患者さん中心の医療に向けた活動とは言えません。患者さんを第一に考えるという会社の方針が社内に徹底されているからこそ、営業担当としての葛藤をぐっとこらえ、こうした決断ができるのです。
今回、患者さんと先生のためになる提案ができたことを非常に嬉しく思いました。先生に本音で接することで信頼関係が深まり、また自社製品も深く理解していただけたことで、二重の喜びとやりがいを感じました。

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