2018年02月08日

第III相臨床試験のIMmotion151試験において
TECENTRIQ®とAvastin®の併用療法は進行腎癌患者さんの
病勢進行または死亡リスクを26%低下

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているF. ホフマン・ラ・ロシュ社が2月6日(バーゼル発)に発表したプレス・リリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2018-02-06.htmをご覧ください。

・TECENTRIQとAvastinの併用療法は、PD-L1の発現が認められる患者さんにおいてsunitinib単剤療法と比較し、主要評価項目の1つである主治医評価による無増悪生存期間(PFS)を延長

・IMmotion151試験はTECENTRIQとAvastinの併用療法を治療レジメンに含む試験として、PFS延長を示した2つ目の試験

・本データについて、米国FDAをはじめとした世界各国の規制当局と議論予定

ロシュ社は6日、進行または転移性腎細胞がん(mRCC)の一次療法を対象とし、TECENTRIQ®(atezolizumab)とAvastin®(bevacizumab)併用療法について検討した第III相臨床試験であるIMmotion151試験の良好な成績を発表しました。本試験は主要評価項目の1つである、PD-L1(Programmed death-ligand 1)の発現が認められる患者さん(PD-L1発現≧1%)において、主治医評価によるPFSの延長を示しました。TECENTRIQとAvastinの併用療法を受けた患者さんでは、sunitinib単剤療法による治療を受けた患者さんと比較し、病勢進行または死亡のリスクを26%低下させました(PFS中央値:11.2カ月vs7.7カ月、ハザード比=0.74、95%信頼区間:0.57-0.96、p=0.02)。もう1つの主要評価項目である全体集団(intent-to-treat:ITT)における全生存期間(OS)については、数値的に併用群で優れることが考えられるものの、現時点では結論づけるには情報量および観察期間が不十分です。TECENTRIQとAvastin併用による安全性プロファイルは、これまでの各薬剤で認められているものおよび第II相臨床試験であるIMmotion150試験で報告されたものと同様であり、新たな安全性の懸念は認められませんでした。治療を受けた全ての患者さんでの治療に関連するグレード3/4の有害事象の発現頻度は、sunitinib単剤療法で54%であったのに対し、TECENTRIQとAvastinの併用療法では40%でした。

事前に規定していたサブグループの解析結果から、PD-L1の発現が認められる患者さんでは、リスクファクターに基づく全てのサブグループ(低・中・高リスクグループ)において、sunitinib単剤療法よりTECENTRIQとAvastinの併用療法がPFSにおいて数値的に優れることが示唆されました。さらに、事前に規定していたITT集団での患者報告アウトカム(patient-reported outcome: PRO)の結果において、sunitinib単剤療法に比べ、TECENTRIQとAvastinの併用療法が日々の生活に支障をきたす疾患症状の増悪を明らかに遅らせました(悪化までの期間中央値:11.3カ月vs4.3カ月、ハザード比=0.56、95%信頼区間:0.46-0.68)。試験デザイン上、これらのサブグループ解析およびPRO解析では統計的有意性は評価されず、記述的な評価にとどまります。

ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「IMmotion151試験はTECENTRIQとAvastinの併用療法を治療レジメンとして含む試験として、良好な成績を示した2つ目の試験であり、このユニークな併用療法が持つ可能性を支持する結果が得られました」と述べるとともに、「TECENTRIQとAvastinの併用による初回治療が、進行腎癌患者さんにおける病勢進行または死亡リスクを低下させるという結果とともに、現在の標準療法であるsunitinib単剤療法と比べ、日々の生活に支障をきたす疾患症状の進行を遅らせる結果が得られたことに勇気づけられています。これらの結果を各国の規制当局と議論することを楽しみにしています」と語っています。

最新のIMmotion151試験の成績は、米国・サンフランシスコで開催される泌尿生殖器腫瘍シンポジウム(Genitourinary Cancers Symposium)において、2月10日(土)の午後1時~2時(現地時間)(抄録番号:578)に、学会公式プログラムとして発表される予定です。

TECENTRIQ(国内製品名:テセントリク®)について
・国内では、本年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応症において、承認を取得しています。

・国内添付文書の【効能・効果】の記載について
【効能・効果】の<効能・効果に関連する使用上の注意>として、以下の通り記載されています。

  1. 化学療法未治療患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
  2. 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
  3. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

Avastin(国内製品名:アバスチン®)について
・国内では、2007年4月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症について承認を取得しています。
・上記に加え、「扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」ならびに「手術不能又は再発乳癌」、「悪性神経膠腫」、「卵巣癌」、「進行又は再発の子宮頸癌」を合わせ、6つの癌種における適応を現在有しています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る