中外製薬

  2009年1月21日

各位

上場会社名 中外製薬株式会社
コード番号 4519(東証 1部)
本社所在地 東京都中央区日本橋室町2−1−1
代表者 代表取締役社長 永山 治
問い合せ先 責任者役職名 広報IR部長
  氏名 富樫 守
  電話番号 03(3273)0881

ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「RoACTEMRA®」が欧州で承認を取得


   

中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山 治](以下、中外製薬)およびF.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/CEO:セヴリン・シュヴァン](以下、ロシュ)は、2007年11月にロシュが欧州医薬品審査庁(EMEA:European Medicines Evaluation Agency)に申請したヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「RoACTEMRA®」(一般名トシリズマブ、EU外販売名「アクテムラ®」)に関して、中等度から重症の関節リウマチ(RA)の症状改善を適応症としてEMEAより承認を取得しましたのでお知らせします。

中外製薬は、ロシュと締結した共同開発・販売契約に基づき、中外製薬の100%子会社であるChugai Pharma Marketing Ltd.(本社:英国ロンドン/CEO:Alain Clergeot)が販売拠点を有するイギリス、フランス、ドイツにおいて、ロシュと共同販促を行います。

RAは多発する関節炎と進行性関節破壊を主症状とし、欧州では数百万人が罹患していると報告されている原因不明の全身性炎症疾患です。「RoACTEMRA®」は、大阪大学との共同研究により作製した抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体をもとに、遺伝子組換え技術により産生した国産初の抗体医薬品(ヒト化モノクローナル抗体)です。「RoACTEMRA®」は、IL-6とそのレセプターの結合を競合的に阻害することにより、IL-6の生物学的作用を抑制し薬効を発揮します。

海外では、中外製薬とロシュとの共同開発により、世界40カ国、4,000名を超える規模の5本の第III相臨床試験およびそれらの継続試験を実施しています。今回の承認は、このうちの4本の試験結果、1本の試験および継続試験の中間解析の結果に基づくものです。

国内では希少疾病用医薬品として、2005年4月に世界初のキャッスルマン病治療薬として中外製薬が製造販売承認を取得し、同年6月に200mg製剤を発売しました。また、2008年4月には関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)および多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎ならびに全身型若年性特発性関節炎の追加適応症の承認を取得しました。さらに、2008年6月には80mgおよび400mg製剤を追加発売しました。

中外製薬は、骨・関節領域を重点領域の一つとして位置付けており、医療関係者および患者さんに新たな治療選択肢を提供することにより、骨・関節疾患の治療に貢献できると考えています。

なお、今回のEMEAでの承認に先立ち、スイス、インド等複数の国においても承認を取得しています。

以上



【ご参考】

・EMEA承認適応症: 一剤以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)もしくは抗腫瘍壊死因子(抗TNF)阻害剤治療によって効果が不十分、あるいは副作用により投与継続が不可能となった中等度から重症の疾患活動性を有する成人の関節リウマチ患者に対しては、RoACTEMRAとMTXとの併用療法を実施する。メトトレキサート(MTX)に忍容性がない、もしくはMTXの使用継続が適切でない中等度から重症の疾患活動性を有する成人の関節リウマチ患者に対しては、RoACTEMRA単剤での投与も可能とする。

・海外での第III相臨床試験の概要

(1)OPTION試験
目的: メトトレキサート(MTX)の効果が不十分な関節リウマチ(RA)患者における本剤の臨床的有効性と安全性を検討する。
方法: MTXの効果が不十分であった中等度から重症の活動性RA患者623例を対象にした二重盲検比較試験で、MTX週1回投与に加え、アクテムラ4mg/kg、アクテムラ8mg/kg、またはアクテムラ偽薬(プラセボ)を4週間隔で投与(点滴静注)する。
結果: アクテムラの有効性については、米国リウマチ学会(ACR)の評価基準が用いられ、投与24週後(最終観察時)のACR改善率は下記のとおり、プラセボ群に比べ有意に高い数値を示した。
  アクテムラ8mg/kg
+MTX群
(p value)
アクテムラ4mg/kg
+MTX群
(p value)
プラセボ
+MTX群
症例数 205 213 204
ACR 20%改善率 58.5(p<0.0001) 47.9(p<0.0001) 26.5
ACR 50%改善率 43.9(p<0.0001) 31.5(p<0.0001) 10.8
ACR 70%改善率 22.0(p<0.0001) 12.2(p<0.0001) 2.0
(2)TOWARD試験
目的: 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の効果が不十分なRA患者における本剤の臨床的有効性と安全性を検討する。
方法: 一つ以上のDMARDsの効果が不十分であった中等度から重症の活動性RA患者1,216例を対象にした二重盲検比較試験で、従来のDMARDs投与に加え、アクテムラ8mg/kg、またはアクテムラ偽薬(プラセボ)を4週間隔で投与(点滴静注)する。
結果: アクテムラの有効性については、米国リウマチ学会(ACR)の評価基準が用いられ、投与24週後(最終観察時)のACR改善率は下記のとおり、プラセボ群に比べ有意に高い数値を示した。
  アクテムラ8mg/kg
+MTX群
プラセボ
+DMARDs群
p value
症例数 803 413  
ACR 20%改善率 60.8 24.5 p<0.0001
ACR 50%改善率 37.6 9.0 p<0.0001
ACR 70%改善率 20.5 2.9 p<0.0001
(3)RADIATE試験
目的: 抗TNF療法の効果が不十分なRA患者における本剤の臨床的有効性と安全性を検討する。
方法: 少なくとも一つの抗TNF療法が効果不十分であった中等度から重症の活動性RA患者498例の患者を対象にした無作為化二重盲検3群間比較試験で、MTXの週1回投与に加えアクテムラ(4mg/kgまたは8mg/kg)、あるいはアクテムラ偽薬(プラセボ)を投与する。
結果: アクテムラの有効性については、米国リウマチ学会(ACR)の評価基準が用いられ、投与24週後(最終観察時)のACR改善率は下記のとおり、プラセボ群に比べ有意に高い数値を示した。
  アクテムラ8mg/kg
+MTX群
(p value)
アクテムラ4mg/kg
+MTX群
(p value)
プラセボ
+MTX群
症例数 170 161 158
ACR 20%改善率 50.0(p<0.0001) 30.4(p<0.0001) 10.1
ACR 50%改善率 28.8(p<0.0001) 16.8(p<0.0001) 3.8
ACR 70%改善率 12.4(p=0.0002) 5.0(p=0.1005) 1.3
(4)AMBITION試験
目的: MTX未投与のRA患者におけるアクテムラ(8mg/kg)単独投与の臨床的有効性と安全性を検討する。
方法: 試験開始前6カ月以上、MTXが不使用であった中等度から重症の活動性RA患者673例を対象にした無作為化二重盲検2群間比較試験で、アクテムラ(8mg/kg)4週に1回静注+週1回のMTX偽薬(プラセボ)投与、あるいはアクテムラ偽薬(プラセボ)4週に1回静注+週1回のMTX投与を行う。
結果: アクテムラの有効性については、米国リウマチ学会(ACR)の評価基準が用いられ、投与24週後(最終観察時)のACR改善率は下記のとおり、アクテムラの単独投与はMTX群に対して非劣勢を認め、さらにMTX群に比べ有意に高い数値を示した。
  アクテムラ8mg/kg
+プラセボ群
MTX
+プラセボ群
p value
症例数 286 284  
ACR 20%改善率 70 53 p<0.0001
ACR 50%改善率 44 34 p=0.0023
ACR 70%改善率 28 15 p=0.0002
(5)LITHE試験
目的: MTXの効果が不十分なRAにおける本剤の関節破壊の予防に関する臨床的有効性と安全性を検討する。
方法: MTXの効果が不十分な中等度〜重症の活動性RA患者1,170例を対象にした二重盲検比較試験で、MTX週1回投与に加え、アクテムラ4mg/kg、アクテムラ8mg/kg、またはアクテムラ偽薬(プラセボ)を4週間隔で投与(点滴静注)する。
結果(投与1年):
  アクテムラの有効性は、52週目にGenant-modified Sharpスコアおよびarea under the curve (AUC) in the Health Assessment Questionnaire Disability Index (HAQ-DI)を用いて盲検下、骨関節破壊の程度を評価し、また、抗リウマチ効果はACR反応率で判定した。
アクテムラ投与群では、骨X線写真で評価した、トータルスコア、骨びらん、および関節裂隙狭小化の進行が対照群と比較して統計学的に有意に抑制され、HAQ-DIも有意に低下した。また、ACR反応率も対照群と比較して統計学的に有意に高い有効率が認められた。
* LITHE試験は1年投与の結果を申請資料に含めますが、現在、試験継続中です。

・安全性プロファイルについて
「アクテムラ®」の海外第III相臨床試験における安全性プロファイルは一貫性があり、忍容性が認められました。報告された重篤な有害事象には、感染症、数例のアナフィラキシーを含む過敏性反応があります。最も頻度の高い有害事象は、上気道感染、鼻咽頭炎、頭痛、高血圧であり、一時的な肝機能検査値上昇(ALTおよびAST)が若干認められました。これらの肝機能検査値の上昇は概ね軽度で可逆的であり、肝障害や肝機能へ影響を及ぼすものではありませんでした。

   

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