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ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®」 |
| 目的: | 本試験はMTXの効果が不十分なRAにおける本剤の臨床的有効性と安全性の検討を目的として実施しました。 |
| 方法: | MTXの効果が不十分な中等度〜重症の活動性RA患者さん1,196例を対象にした二重盲検比較試験で、MTX投与に加えアクテムラ8mg/kg、アクテムラ4mg/kg、またはアクテムラ偽薬(プラセボ)を4週間隔で投与(点滴静注)しました。 アクテムラの有効性は、52週目にGenant-modified Sharpスコアおよびarea under the curve (AUC) in the Health Assessment Questionnaire Disability Index (HAQ-DI)を用いて盲検下、骨関節破壊の程度を評価し、また、抗リウマチ効果はACR反応率で判定しました。 |
| 結果: | アクテムラ投与群では、骨X線写真で評価した、トータルスコア、骨びらん、および関節裂隙狭小化の進行が対照群と比較して統計学的に有意に抑制され、HAQ-DIも有意に低下しました。また、ACR反応率も対照群と比較して統計学的に有意に高い有効率が認められました。 |
| 安全性: | これまで報告された臨床試験の結果と同様のプロファイルとなっており、有害事象の発現率は3群間に大きな差はありませんでした。また、6ヵ月目と12ヵ月目との比較でも差はありませんでした。 |
「アクテムラ®」は、国内ではキャッスルマン病の治療薬として2005年4月に承認され、同年6月に「アクテムラ®点滴静注用200」の販売名で発売しました。2008年4月には、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)および多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎の効能が追加されました。
海外では、中外製薬とロシュとの共同開発により5本のRAを対象とした第III相臨床試験を実施し、2007年6月に1番目のOPTION試験の結果が欧州リウマチ学会で、2番目のTOWARD試験が2007年11月の米国リウマチ学会、3番目と4番目のRADIATEおよびAMBITION試験が2008年6月の欧州リウマチ学会で報告されています。これら5本の試験では、MTXを含むDMARDsや抗TNF製剤の効果が不十分な患者さん、あるいはMTX未投与の患者さんにおいて、「アクテムラ®」の有効性および安全性を単剤または併用療法で検証しています。
なお、ロシュは2007年11月に欧米においてRAを適応とした承認申請を行い、現在審査中です。
以上
【ご参考】
【インターロイキン−6(IL-6)とは】
IL-6は、免疫系におけるB細胞を抗体産生細胞に分化誘導する因子として発見されたもので、その後の研究により、免疫応答のみならず、造血系、神経系の細胞増殖や分化、炎症反応など多様な生理活性を有し、関節リウマチ、キャッスルマン病、クローン病、多発性骨髄腫などの種々の免疫異常や炎症性疾患の病態に関わっていることが知られています。
【アクテムラ®(ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体)とは】
「アクテムラ®」は、遺伝子工学的技術を用いて創製されたIL-6レセプターに対するヒト化抗体であり、IL-6のIL-6レセプターへの結合を阻害することにより、IL-6の作用を抑制します。このため、IL-6が病態に深く関わっていると考えられる疾患に対する治療効果が期待できます。
【Genant-modified Sharpスコアとは】
Genant-modified Sharpスコアはレントゲンを用いて関節破壊を測定する方法で、それぞれの手や手首の14箇所と足の13箇所の関節の破壊を測定します。
【HAQ-DIとは】
HAQ(Health Assessment Questionnaire)とは、慢性疾患患者の機能障害の程度を評価するために患者さん自身が回答するアンケートで、社会的、精神的あるいは経済的要素の影響が少なく、身体的な機能障害を主に反映しています。HAQは日常生活で遭遇するさまざまな事柄についての20の質問からなり、それぞれについて「簡単にひとりでできる」から「全くできない」までの4段階で回答します。その結果から、機能障害の程度を表わす機能障害指数(Functional Disability Index:DI)を算出します。
【ACR改善率とは】
米国リウマチ学会(ACR:American College of Rheumatology)で作成された関節リウマチの臨床症状の改善度の基準であり、20%改善率、50%改善率、70%改善率の3種類があります。各々の患者さんにおいて、以下の7項目のうち、(1)疼痛関節数および(2)腫脹関節数の20%以上の改善を必須条件として、さらに(3)〜(7)の5項目中3項目以上で20%以上の改善が認められた場合にACR20%以上の改善ありと判定され、ACR20%改善率はその改善例数の割合を示したものです。50%、70%についても同様に判定します。
| (1) | 疼痛関節数 |
| (2) | 腫脹関節数 |
| (3) | 患者による疼痛の評価 |
| (4) | 患者による全般評価 |
| (5) | 医師による全般評価 |
| (6) | 患者による日常生活動作の評価 |
| (7) | 炎症マーカー:CRP(C反応性蛋白)またはESR(赤血球沈降速度) |