中外製薬は今後の飛躍に向けて中期経営計画「Sunrise 2012」を策定しています。
目標
Sunrise 2012の目標は「国内トップクラスのプレゼンスの確立」「国内トップの高成長の実現」「ロシュ社とのWIN-WIN関係の強化」であり、定量的な目標は2012年の連結売上高4,600億円、連結営業利益800億円です。
併せて、患者さんを始め、中外製薬グループを取り巻くステークホルダー(利害関係者)の皆さまに対して、高い満足を提供し、積極的に支持される企業を目指しています。
そのために、中外製薬グループ社員一人ひとりが、より多くの顧客満足を得られるような活動を継続していきます。
図1 2012年 数値目標

2012年計画
Sunrise 2012の最終年度である2012年12月期計画では、売上高4,185億円、営業利益800億円と、Sunrise 2012の目標に売上高は届かないものの、当初の目標を維持した営業利益を目指していきます。
2011年の実績と比べると売上高を12.0%、営業利益を28.2%それぞれ伸ばすという大変意欲的な計画となっていますが、新製品・適応拡大製品の更なる浸透により、2012年4月の薬価改定による影響を吸収し、増収・増益を図っていきます。
図2 2012年計画

特に、2012年の計画達成に向け、大きく寄与すると期待されるのが、2011年において新製品・適応拡大を含め全部で14の承認を取得できたことです。これらが2012年以降の成長を支えるドライバーとなると確信しています。なかでも2011年にそれぞれ新発売した骨粗鬆症治療薬「エディロール®」、腎性貧血治療薬「ミルセラ®」の2製品については、早期の市場浸透を目指して活動をしていくことが肝要となります。また、「アバスチン®」「アクテムラ®」などの主力製品についても、売上を牽引していく製品として確固たるポジションを確立していきます。
図3 2011年における研究開発での進展

2012年計画ではSunrise 2012の営業利益目標を維持する一方、売上目標では差異が生じています。この主な原因は、2008年にSunrise 2012を発表した際に想定していた前提条件や業界環境に齟齬が生じたことです。
なかでも、売上の減少要因として最も大きなものとして、アクテムラの米国承認遅延・適応制限があげられます。また、この他にも複数製品の開発が中止または予定していた承認が得られなかったことや、東日本大震災の影響もマイナスとなりました。
こうした中、新薬創出・適応外薬解消等促進加算という新しい薬価制度の試験的導入やロシュと薬価改定時の負担率を変更することに合意したことが、Sunrise 2012策定時と比べて営業利益を改善させる方向に働きました。
これらにより、売上高につきましてはSunrise 2012の当初の目標に届かないものの営業利益についてはSunrise 2012当初の目標を目指して参ります。
図4 Sunrise 2012前提との比較

トップ製薬企業を目指して
当社は、「2010年代後半には日本のトップ製薬企業となる」ことを標榜し、定量目標を定めるとともに、患者さん志向の革新を続け、医療に貢献する取り組みに邁進しています。そして、こうした活動を通じて、各ステークホルダーに高い満足を提供し、積極的な支持と信頼を受ける企業を目指していきます。
定量目標
下記項目で大手国内製薬企業上位3位以内を目指します
- 国内シェア
- 連結営業利益率
- 従業員1人当たり連結営業利益
- MR1人当たり国内売上高
戦略疾患領域における国内売上高シェアトップを目指します
- 戦略疾患領域:がん、骨・関節、腎の3領域
海外売上高比率の増加を目指します
- RoACTEMRA®/ACTEMRA®
- 上記に続く製品
当社は、トップ製薬企業の実現に向けた研究開発活動の中核戦略として、個別化医療(Personalized Health Care;PHC)と抗体医薬技術を活かした医薬品の開発を推進しています。
PHC
PHCは、個々の患者さんの分子・遺伝子情報に応じて治療計画を立案・実行する治療法です。ある疾患の治療を行う際、薬剤の効果が高く、副作用の少ない患者さんだけを対象とするため、投与前にバイオマーカーと呼ばれる特定の分子や遺伝子を診断して患者さんを層別化し、一定の条件を満たした患者さんにのみ薬剤を投与します。効果の最大化と副作用の最小化が期待できる個別化医療は、効果の見込めない治療を避けることから医療経済性も高く、費用対効果の面からも大きな期待が寄せられています。
抗体医薬
当社では、従来からの強みであるバイオ技術に加え、当社研究所で開発されたリサイクリング抗体、スイーピング抗体等の新規抗体技術を応用した医薬品の開発が進行しています。リサイクリング抗体とは、通常1つの抗体が血液中で1つの抗原と1回しか結合ができないところを、細胞内で抗原と抗体を解離して、抗体のみが細胞外に戻り、繰り返し標的抗原と結合できるようにした抗体です。スイーピング抗体とはリサイクリング抗体をさらに改良して回転スピートを早めることにより、より多くの抗原を分解、代謝して血液中の抗原を除去することができるようにした抗体です。これらの革新的な抗体技術を活用した抗体医薬品の早期開発を目指し、2012年にシンガポールに中外ファーマボディー・リサーチ社を設立しました。新規技術を利用することで、これまで難しいと考えられていた疾病の治療が抗体医薬品によって可能になるなど様々な可能性が期待されます。同社では今後5年間で20の抗体創製を目指します。
2011年には上記に関連した5つのプロジェクトが新規に臨床入りし、パイプライン全体をみるとロシュから導入したプロジェクトを含め、それぞれ10以上のPHCと抗体医薬のプロジェクト(両プロジェクト重複あり)が進行しています。ロシュ・グループの強みと革新的な抗体技術を活かし、日本の個別化医療を牽引し、2010年代半ばにトップ製薬企業となることを目指します。
図5 目指す方向

