中外製薬

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社長メッセージ

日本のトップ製薬企業の実現に向けた挑戦 代表取締役社長 永山 治

アンメットメディカルニーズを満たす革新的新薬の継続的な創出を目指す中外製薬では、抗体医薬品に強みを持つ優れた研究開発基盤と、ロシュ社との戦略的提携によるグローバルな基盤を最大限に活用し、日本のトップ製薬企業の実現を目指して挑戦を続けていきます。

2010年は、タミフル®を除いた製商品売上高で引き続き増収を果たしました。

新型インフルエンザの流行沈静化を背景に「タミフル®」の売上高が大幅減少となったことから、2010年の全体の売上高は3,795億円(前年比11.5%減)、営業利益は662億円(前年比19.9%減)と減収減益となりました。しかし、年度間で変動の大きい「タミフル®」を除いた製商品売上高は、3,574億円(前年比4.2%増)と過去最高の業績となり、「タミフル®」を除くベースの営業利益も増益を果たしました。これは、「アバスチン®」「アクテムラ®」を筆頭に当社の成長ドライバーが好調な伸びを示し、「ハーセプチン®」や「エポジン®」などにおける薬価改定の影響を補ったことによるものです。

成長の源泉となる研究開発や技術面でも目覚ましい進展がありました。

2010年は、研究開発面で非常に大きな成果が生まれた年となりました。2010年1月「アクテムラ®」の米国での承認取得や、同年6月「エポジン®」の自己血貯血での適応拡大承認に加え、4プロジェクト*1で承認申請を完遂したほか、3プロジェクト*2の新規化合物が新たに臨床試験を開始しました。

また、2010年10月には、1分子の抗体が標的抗原に繰り返し結合することを可能にした、革新的な抗体工学技術を発表しました。今後の当社の医薬品創出の可能性を大きく広げるものであることはもちろん、世界の製薬業界全体に貢献できる技術だと思っています。

*1 「ゼローダ®」「ハーセプチン®」(胃がん)、「コペガス®」「ペガシス®」の併用療法(C型代償性肝硬変)

*2 「AF802」(非小細胞肺がん:自社品)、「PA799」(固形がん:自社品)、「SA237」(関節リウマチ:自社品)

中外製薬は、製薬業界において確固たるポジションを築いています。

現在の製薬業界では、後発医薬品の伸長や新興国市場の拡大といった傾向とともに、アンメットメディカルニーズ領域への参入や市場拡大が見込まれるバイオ医薬品へのシフトが一段と強まっています。当社にとってこうした動きは、アンメットメディカルニーズ領域を中心に革新的な新薬創出を志向し続けてきたことから、追い風であるととらえています。

当社は、抗体医薬品とがん領域において国内トップのポジションを築いています。1980年代から国内のバイオ医薬品の研究開発をリードしてきた実績や、グローバル医薬品へと成長した国内初の抗体医薬品「アクテムラ®」にも象徴されるように、当社の研究開発力はその支えの一つとなっています。こういった知見や技術などの強みをさらに確固たるものとするべく、今後も革新を続けていきます。

すべてのステークホルダーからの期待に応えられる会社となるべく、日本のトップ製薬企業の実現を目指していきます。

当社は、さまざまな環境変化に対応し、当社の強みや価値を最大化していくことにより、2010年代後半には、「国内外において革新的な新薬を継続的に提供する日本のトップ製薬企業」となることを目指しています。トップ製薬企業とは、社員一人ひとりがリーディング・カンパニーとしての自覚と責任を持ち、グローバルな視野で主体的な事業活動を展開する企業であり、こうした活動を通じて、各ステークホルダーに高い満足を提供し、その積極的な支持と信頼を受ける企業であると考えています。

こうした目標を達成していくためには、患者さん志向を貫いた革新を続け、医療に貢献する取り組みに邁進していくことが何よりも大切です。例えば、当社がリーディング・カンパニーとしての役割を果たしていくべきがん領域では、標準治療を普及させ、さまざまな形で日本のがん医療の均てん化に貢献する活動に注力しています。

日本のトップ製薬企業を目指すうえでのマイルストーンとして位置づけている中期経営計画Sunrise 2012では、2012年の連結売上高は4,600億円、連結営業利益は800億円を目指しています。目標達成に向けては、2011年に上市を計画している「エディロール®」「ミルセラ®」の早期市場浸透や、がん領域の大型製品群の価値最大化、そして、「アクテムラ®」の国内シェア拡大と海外での大型製品化に注力していきます。

日本のトップ製薬企業の実現に向けて挑戦を続ける当社にご期待ください。

ロシュ社との戦略的提携を果たした2002年から、当社は大きな発展を遂げてきました。売上、利益の成長はもちろんのこと、工場再編やライフサイクルマネジメント体制の整備、研究開発基盤の強化などに取り組み、強固な事業基盤を確立してきました。そして、ロシュ社からの導入品を着実に上市、市場浸透させ、提携前と比べると製商品、パイプラインともに飛躍的な充実を遂げており、これらに沿う形で、人財も成長してきています。

こうした成果を収めてきた2010年までを戦略的提携の第一ステージとすると、これからは新たなステージ、第二ステージに突入したと言えるでしょう。自社開発品によってロシュ・グループへの貢献を果たすとともに、世界トップのバイオ技術を持つグループとしての強みを発揮し、革新的新薬を提供し続けていくことが、当社の大きな役割です。

日本のトップ製薬企業の実現に向けての取り組みは、着実に前進しています。決して平坦な道のりではありませんが、当社が培ってきた革新と挑戦の企業風土をもとに、引き続き邁進してまいります。

今後とも、皆さまの変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

2011年03月
永山 治
永山 治
代表取締役社長