中外製薬

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企業倫理重視の姿勢

生命関連企業として、常に高い倫理観・道徳観に基づいて行動しています。

企業倫理は業績に優先する

わたしたちは生命の尊厳を第一義に置き、科学に対する真摯な取り組みと、透明かつ公正で、高い倫理性を持った企業活動を追及しています。このことは、わたしたちが多様なステークホルダーとの信頼関係を築き、社会の持続的発展に貢献していくために欠かせないものと位置づけています。
2002年10月の新生中外製薬の発足を機に、「企業倫理は業績に優先する」という経営トップのメッセージを全従業員に発信しました。そして、わたしたちの社会責任を果たし、ステークホルダーの期待に応える企業像を実現すべく「ミッションステートメント」を掲げ、企業行動規準として「中外BCG」を制定しました。
わたしたちのミッションを具現化するには、一人ひとりが中外製薬グループで働く一員としての価値観を共有し、生命関連企業の業務遂行において求められる倫理観とは何であるか理解し、実践することを必須としています。
あらゆる場面において、自らの価値観にのっとって行動する。わたしたちの誓いです。

倫理観を持った適正なプロモーション活動の推進

製薬企業には、医薬品の研究開発から販売に至るまで、品質、有効性・安全性を追求し、医薬品情報を適切な方法で的確かつ迅速に提供・収集・伝達するという責務があります。
そのために医療用医薬品業界全体では、医療用医薬品のプロモーションのあり方と行動基準である「医療用医薬品プロモーションコード」、さらに医療機関などへの景品類の提供を規制した「医療用医薬品製造販売業公正競争規約」を自主的に制定して活動しています。中外製薬グループでは、それら規程の運用機関である医療用医薬品製造販売業公正取引協議会や、日本製薬工業協会のプロモーションコード委員会などの活動に積極的に取り組むとともに、「中外医療用医薬品プロモーションコ-ド」を制定して活動しています。同時に本コードの決定機関として中外プロモーションコード委員会を設置し、本社、支店にプロモーションコードならびに公正競争規約の専任の担当者を任命して積極的な遵守体制を敷き、倫理観を持った適正なプロモーション活動を推進しています。

自分もひとも大切にする組織風土を目指して

自分もひとも、大切に。
中外製薬グループ
人権尊重キーワード

人権尊重の文化は、企業が社会の一員として認められ、信頼されるうえで欠かせない礎のひとつです。わたしたちが共有する価値観(コア・バリュー)に基づいた行動規準である中外BCGには、「多様性の推進」や「人権の尊重」の重要性が謳われています。
人権尊重・多様性推進にあたっては、「自分もひとも大切に」する組織風土を基盤として、一人ひとりが自分自身の想いを大切にし、お互いが能力を十分発揮できるようお互いの価値観を認め、多様性を尊重する組織風土、すなわち、いじめやハラスメントがなくお互いを職場の仲間として大切にする職場では、人は生き生きと働き甲斐をもって創造的に働くことができます。
この人権尊重の組織風土は、個人がもっている能力を最大限に発揮させ、その成果を高めます。そして、このような風土で一人ひとりが人権感覚を磨き、個を尊重して行動することは、企業活動や個人の生活を通じた社会とのかかわりの中で、社会的な差別や人権侵害の解消にも貢献できると考えています。


  • 人権啓発研修の様子

動物福祉に関する考え方

人類の健康に寄与する医薬品の開発には、薬の安全性や効果を確認するために、実験動物を用いた研究を欠かすことができません。これらの研究には、3Rs(注1)の原則の徹底が求められています。中外製薬グループでは、1988年に研究に用いられる実験動物の取扱いに関する指針を制定し、すべての実験動物を用いた研究を倫理的かつ科学的に実施してきました。
この指針は現在までに数回の改定を行いましたが、一貫して「当社で行われるすべての実験動物を用いた研究は、科学的諸条件を整えるとともに、動物福祉の観点から動物の生理、生態、習性などを理解し、愛情をもって動物を飼育管理し、その生命を尊重し、かつ苦痛の軽減などへの措置を可能な限り施す」と定めた基本精神のもと、より倫理的に配慮した取り組みを実践しています。
指針制定に際して設置された動物倫理委員会は、2005年に委員会の内容を刷新し、企業としての責任体制をこれまで以上に明確化するとともに、社外の委員を加え、より客観的な実験動物を用いた研究の審査を実施してきました。一方、実験動物を用いた研究を行う研究員や飼育担当者に対しては、資格制度を導入し、適切な教育・訓練を行い、動物の取扱いに対する倫理的配慮を深耕しています。2011年には年次の継続講習会を6回開催し444名が受講、コース別講習会(6コース)は40回開催し延べ102名が受講しました。
2005年以降、委員会は指針に沿った活動がなされていることを年に2回自己点検するとともに、社会環境の変化や科学の進歩に対応した改善を行っています。
こうした当社の取り組みは、世界的な第三者評価機関であるAAALAC International(注2)に評価され、2007年に認証を取得し、2010年には認証を継続しました。AAALAC International は動物福祉に対する不断の努力を求めており、3年ごとに査察を実施していますが、引き続き当社はその努力を継続していきます。

(注1)
Replacement(代替)、Reduction(削減)、Refinement(苦痛の軽減)の頭文字で、実験動物を用いた研究を行う際の福祉的な理念となっている。

(注2)
Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care Internationalの略称。自主的な審査と認証プログラムを通して、科学における動物の人道的な管理を促進する民間非営利組織で、33カ国の850を超える施設が認証を取得している。

研究開発における生命倫理に関する取り組み

中外製薬では、「ヒト由来試料を用いた研究に関する倫理指針」を定め、人間の尊厳および人権を尊重し、社会の理解と協力を得て、ヒト由来試料を用いた研究を適正に実施するため、「研究倫理委員会」を設置しています。この委員会は、委員の半数は外部委員であり、そのうち半数以上が倫理・法律を含む人文・社会科学および一般の立場の者からなり、社会情勢の変化に対応しつつ、学際的かつ多元的な立場から公正かつ中立的な審査を行えるよう適切に構成し運営しています。
2009年4月に、大幅に改正された「臨床研究に関する倫理指針」が施行されたことを受け、中外製薬では研究者などに対し、ヒト由来試料を用いた研究に関する倫理をはじめ、研究実施の際に必要な知識について、研究員への研究倫理の講習・指導を行い、倫理を最優先した研究の実施に努めています。

臨床試験についての考え方

医薬品の開発において臨床試験は、その安全性や有効性を見極めるために欠かせないプロセスであり、被験者の人権を尊重し、安全性の確保に細心の注意を払い、高い倫理観を持って厳正に実施されます。
中外製薬グループは、薬事法などの関係法規、さらにはヘルシンキ宣言(注3)やICH-GCP(注4)の世界基準に従い、必要で十分な手順を踏むことで一歩ずつ確実に薬の真価を見極めています。

「臨床試験審査委員会」

臨床試験の開始にあたっては、まずその計画が倫理的・科学的に妥当であるかを「臨床試験審査委員会」でチェックします。次に規制当局によるチェック、さらには医療機関において医師や利害関係を有しない者を含む「治験審査委員会(IRB)」で慎重に審議された後に実施されます。

「標準業務手順書」

臨床試験は、すべて薬事法などの関係法規をもとに社内で作成した最新かつ具体的な治験の手順書に従って実施されます。

「安全性評価委員会」

臨床試験において、安全性にかかわる重要な情報を入手したときは、ただちに関連情報を集め、「安全性評価委員会」で医師を含む専門家による分析・検討を実施します。必要な場合は規制当局や関係医療機関への情報伝達などを行い、絶えず患者さんの利益を最優先に考えて対応しています。

(注3)
1964年、世界医師会総会で採択された「ヒトを対象とする生物医学的研究に携わる医師のための勧告」をいう。生物医学的研究は、最終的にヒトを対象とした試験によらなければ、実際の医療に寄与するものにならない。現在の臨床試験は、1964年のヘルシンキ宣言を倫理的基盤としている。(出典:公益社団法人 日本薬学会)

(注4)
日米EU医薬品規制調和国際会議の略称であり、GCPはそこで採択された医薬品の臨床試験の実施に関する基準(ガイドライン)のこと。(出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)